いつも冬になると犬の肌が荒れる…?乾燥トラブルを防ぐ保湿ケアとスキンケア習慣
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いつも冬になると犬の肌が荒れる? ─ 愛犬を守る乾燥ケアの基本
冬のはじまりに気をつけたい、愛犬の“静かな肌トラブル”。皮膚が人の1/3しかない犬の肌を、泡と保湿でやさしく守る冬ケアをご紹介します。
朝晩の空気がひんやりしてきて、「あ、もう冬が近いな」と感じる頃。気づけば手がカサカサして、保湿クリームを塗る回数が増えていませんか?
実はその“乾燥”は、あなたの愛犬の肌にも静かに訪れています。
犬の皮膚は、人の約3分の1の厚さしかありません。そのため、外気の冷たさや暖房による湿度の低下にとても敏感。特に11月〜2月は、空気の乾燥や静電気、熱いドライヤーの風など、さまざまな刺激が肌に負担をかけやすい季節です。
冬のはじまりに気をつけたいサイン
- 最近よく体をかくようになった
- 毛がパサついてツヤがない
- フケが出てきた
- 静電気で毛が広がる
- お腹や足先がカサカサしている
これらは、乾燥によって肌のうるおいバランスが崩れているサインかもしれません。
放っておくと、かゆみやフケが目立ちやすくなることもあります。でも、焦らなくて大丈夫。今から始められる“やさしい冬のスキンケア習慣”があります。
今日からできる、冬のうるおいケア
1. 湿度を保つ
暖房をつけると、室内の湿度は一気に40%以下まで下がることも。湿度が下がると角質の水分保持力が落ち、肌が乾きやすくなります。加湿器で50〜60%を目安に保ちましょう。濡れタオルを干すだけでも、空気の乾燥をやわらげることができます。
2. 寝床をあたたかく
ふわふわのベッドやブランケットで体温を保つことは、肌をすこやかに保つことにもつながります。冷えによって血行が悪くなると、皮脂の分泌も減りがちに。温もりをキープすることも立派なスキンケアです。
3. 散歩後のひと手間ケア
冷たい風に当たったあとは、足裏やお腹をぬるま湯で軽く拭いてあげましょう。そのあとにスプレーなどでうるおいを補うと、静電気や摩擦による刺激をやわらげるサポートになります。
4. 飲み水はぬるめに
寒い季節は冷たい水を嫌がる犬も多く、飲水量が減りやすくなります。水分は内側からのうるおいにも関係するため、常温〜ぬるめのお水を置いてあげましょう。
5. シャンプーはやさしく・短く
「冬でも清潔にしてあげたい」と思うあまり、洗いすぎてしまうことも。洗浄力が強いシャンプーは、皮脂を落としすぎることがあります。アミノ酸系などの低刺激タイプを選び、泡で包み込むように洗ってあげましょう。やさしい洗浄でも、清潔さとうるおいを両立できます。
なぜ冬は乾燥しやすいの?
冬の空気は湿度が低く、皮膚表面の血流が減少して角質の水分保持機能が弱まりがち。さらに暖房の熱でうるおいが逃げやすくなります。静電気や摩擦も肌への刺激となるため、“外の冷たさ”と“内の暖かさ”の差が、乾燥を感じやすくする原因に。
犬種や年齢によって違う乾きやすさ
- 短毛種(柴犬・ビーグルなど)→ 腹部や足先など被毛が薄い部分が乾きやすい
- 長毛種(プードル・シーズーなど)→ 毛玉や静電気が起きやすく、摩擦が増えやすい
- シニア犬 → 皮脂分泌が減り、肌が乾きやすくなる
- 子犬 → 角質が未発達で刺激に弱い
ブラッシング前のミストで静電気をケア
冬の乾いた毛は、摩擦で簡単に静電気を帯びます。保湿成分を含むスプレーをブラッシング前に軽く吹きかけることで、毛並みを整えながらしっとりとした仕上がりをサポートします。
The Mate Tokyoの「PetcareDr.PRO グルーミングスプレー」は、99%天然由来成分でつくられた被毛ケアアイテム。静電気を防ぎ、ブラッシングの摩擦から被毛をやさしく守ります。乾燥が気になる季節の仕上げのひと吹きにおすすめです。
やりがちなNGケア
- 熱いドライヤーで一気に乾かす → 低温で20cmほど離して、温風から冷風へ切り替えましょう。
- 香りの強い製品でニオイを隠す → 強い香りよりも、清潔に保つことを意識して。
- 毎回しっかり洗い上げようとする → 汚れが少ない日は、お湯リンスや部分洗いでも十分です。
こんなときは早めに相談を
・赤みや湿疹が広がっている
・掻き壊して出血している
・何度も同じ箇所を気にする
・ケアしても状態が変わらない
こうした症状が続く場合は、早めに獣医師に相談しましょう。乾燥だけでなく、皮膚炎やアレルギーなどが関係していることもあります。
まとめ
冬の乾燥は、見えないうちに少しずつ進みます。「湿度を保つ」「ぬるま湯を使う」「保湿を足す」――この3つを意識するだけで、肌のコンディションは穏やかに整っていきます。やさしくケアして、うるおいのある冬を一緒に過ごしましょう。
参考文献
- 学窓社 (2020). 『犬と猫の皮膚科学』. ― 犬の皮膚構造と乾燥要因を解説。
- Olivry, T. et al. (2016). "Over-bathing and barrier impairment in dogs." Veterinary Dermatology, 27(6). ― 過度な洗浄が皮膚バリアを弱めることを報告。
- Sugiyama, S. et al. (2019). "Thermal stress on canine skin barrier function." Journal of Veterinary Medical Science. ― 高温乾燥環境でのバリア機能低下を確認。
- 日本獣医皮膚科学会誌 (2019). Vol.25. 「犬用スキンケア製品の保湿効果評価」. ― セラミド配合製品の皮膚水分保持評価。