犬のシャンプー頻度はどれくらいが適切?犬種別の目安を解説

犬のシャンプー頻度はどれくらいが適切?犬種別の目安を解説

犬を飼っていると「どのくらいの頻度でシャンプーすればいいの?」と悩む方は多いのではないでしょうか?人間と同じ感覚で毎日洗った方が良いのか、それともあまり洗わない方が良いのか、、かくいう私も当初は迷って色々調べていました。。

実は最近、ペットの健康やスキンケアへの関心が高まっており、「犬のシャンプー 頻度」という検索キーワードの需要も年々増えているんですよ。
正しい知識を持ってケアすることは、愛犬の皮膚トラブルやストレスの予防、そして快適な暮らしを支えるために欠かせません。

また、犬種によって毛の長さや皮膚の状態は大きく異なり、一律のシャンプー頻度で決めきれないのも実情です。

今回は、愛犬のシャンプーについて見直したい方や、飼い始めたばかりで知識を身につけたい方にとって、実践的で役立つ内容をお届けできればと思っています。

犬にシャンプーは必要?基本的な考え方

犬の皮膚と毛の構造について

犬の皮膚は、実は人間よりもずっと薄くてデリケートです。一般的に、人間の皮膚の厚さは約2mm前後ですが、犬の皮膚はその半分以下(0.5~1.0mm程度)と言われています。そのため、外的刺激や乾燥にとても弱く、シャンプーの仕方や頻度を誤ると、すぐに肌トラブルを引き起こしてしまいます。

また、犬には「アンダーコート(下毛)」と「トップコート(上毛)」という2層構造の被毛を持つ犬種も多く、毛が絡まりやすく、皮膚が蒸れやすい特徴があります。毛と皮膚を清潔に保つことは、トラブル予防に直結します。

人と犬の皮膚の違い

もうひとつ重要なのが、皮膚のpH(ペーハー)バランスです。

比較項目 人間
皮膚のpH 約5.5(弱酸性) 約6.5〜7.5(中性〜弱アルカリ性)
皮脂の量 多め 種類により異なるが少なめな犬種も多い

このように、犬は人間と異なるpHバランスを持つため、人間用のシャンプーは刺激が強すぎてNGです。犬専用の低刺激でpHバランスの取れた製品を選ぶことが、皮膚の健康維持に欠かせません。

ある犬用シャンプーのpHバランスや皮膚への影響について検討した研究では、3種類のシャンプーを比較し、pHが犬の皮膚に最も適した製品(X3)が、被毛の構造やツヤに良い変化を与えたと報告されています。

The shampoo that matched the dog skin pH best (X3) showed the most visible positive changes in hair cross-section and convolution rate, as observed under electron microscope. Dog owners also rated it highest in terms of effectiveness.

(出典:Budreckienė et al., 2016年, Dogs’ Shampoos for the Coat Care

シャンプーが果たす役割

犬にとってのシャンプーには、以下のような役割があります。

  • 皮脂や汚れの除去:散歩や遊びで付着した汚れや排気ガス、ホコリを落とす。
  • 臭いのコントロール:皮膚の常在菌が繁殖すると独特な臭いが発生するため、定期的な洗浄が必要。
  • 皮膚トラブルの予防:皮膚病やアレルギーの原因となるアレルゲンを洗い流す。
  • 抜け毛対策:換毛期の抜け毛を取り除くことで、毛玉やもつれを予防。
  • スキンシップの時間:飼い主と犬との信頼関係を深めるチャンスでもある。

このように、適切な頻度と方法でシャンプーを行うことは、単なる美容目的ではなく、犬の健康を守る行為なのです。
シャンプーの時間を大好きなわんことのスキンシップ時間にまで持っていけると嬉しいですね。

一般的な犬のシャンプー頻度の目安

月に1〜2回が目安とされる理由

多くのトリマーさんや獣医師さんは、月に1〜2回程度のシャンプーを推奨しています。これは、次のような理由によります。

  • 皮脂のバリアを守るため
  • 自然な脱臭サイクルを尊重
  • シャンプーによるストレスの軽減

過剰なシャンプーが与えるリスク

「清潔にしてあげたい」と思うあまり、週に何度もシャンプーしてしまうケースもありますが、これはかえって皮膚バリアの破壊やアレルギー反応の誘発につながる恐れがあります。こんな症状が出てきた場合は、洗いすぎを疑いましょう。

  • フケが多くなった
  • 皮膚が赤くなっている
  • 痒がるようになった
  • 被毛のツヤがなくなった

もちろん、シャンプー剤が合わなかった、濯ぎ残しが肌トラブルにというケースも考えられますので、程度がひどい場合や使用中止後も症状が続く場合は、かかりつけの獣医師さんに見ていただくことをお勧めいたします。

自宅ケアとプロのトリミングの違い

ケア方法 特徴
自宅 気軽に実施できるが技術に限界あり
プロ 肛門腺しぼり・耳掃除などの付加サービス付き。皮膚状態のチェックも可能

自宅でのシャンプーをベースに、1〜2ヶ月に1回程度プロにお願いすると、よりバランスのとれたケアができます。

【犬種別】シャンプー頻度の目安と理由

短毛種(例:ビーグル、ダックスフンド)

目安:月に1回程度

短毛種は毛が短いため、汚れが目立ちやすく、皮膚と被毛の間に空気が通りやすい構造です。皮脂の分泌が比較的多めの犬種もおり、体臭が出やすいため、月1回の定期的なシャンプーが理想的です。

ただし、皮膚が見えやすいぶん、洗いすぎによる乾燥や赤みにも注意が必要です。


中毛種(例:柴犬、コーギー)

目安:月1〜2回

中毛種は「ダブルコート(下毛+上毛)」の犬が多く、特に柴犬は皮脂の分泌量が多いため臭いがこもりやすい傾向があります。

月1〜2回のシャンプーが推奨されますが、換毛期(春と秋)には抜け毛が多くなるため、頻度を一時的に増やすと良いでしょう。


長毛種(例:シーズー、ポメラニアン)

目安:2〜3週間に1回

長毛種は毛が絡まりやすく、皮膚に湿気がたまりやすいため、皮膚トラブルや毛玉が発生しやすい犬種です。

顔まわりやお尻まわりは汚れがつきやすく、放置すると不衛生になりがちなので、部分洗いを日常的に行いつつ、全身シャンプーは2〜3週間に1回を目安にすると安心です。


ダブルコート vs シングルコートの違い

被毛タイプ 特徴 シャンプー頻度の目安
ダブルコート(例:柴犬、ゴールデン) 保温性が高く、換毛期に大量の毛が抜ける 月1〜2回(換毛期は頻度アップ)
シングルコート(例:プードル、マルチーズ) 毛が伸び続ける。抜け毛は少なめ 2〜3週間に1回程度が理想

毛質・皮膚質による調整ポイント

  • 皮膚が乾燥しやすい → 頻度を少なめに
  • 脂っぽくベタつく → 頻度をやや多めに
  • 外出が多い、よく土の上で遊ぶ → 頻度をやや多めに
  • 室内飼育中心、皮膚が敏感 → 頻度は控えめにし、保湿重視

アレルギーがある犬のシャンプー頻度と注意点

アレルギー体質の犬に見られる症状と特徴

犬のアレルギーには以下のタイプがあります:

  • 食物アレルギー
  • 環境アレルギー(花粉、ハウスダストなど)
  • 接触アレルギー(シャンプーや草など)

主な症状は:

  • 赤み、湿疹、発疹
  • フケの増加
  • 頻繁にかゆがる
  • 足先やお腹を舐める
  • 局所的な脱毛

獣医と相談すべきケース

  • 湿疹やかさぶたがある
  • 薬用シャンプーを処方されている
  • 抗アレルギー薬を服用している
  • 皮膚に膿が出ている、異臭がする

症状が見られる場合は無理せず獣医師さんやプロのトリマーさんと相談してくださいね。

アレルギーや肌トラブルに敏感なワンコのシャンプー時の注意点

  • ぬるめの水(35℃前後)で短時間で洗う
  • シャンプー剤はしっかり泡立ててから使う
  • すすぎを徹底する
  • 乾燥はしっかりタオル+ドライヤーで
  • 洗浄後の保湿を忘れずに

The Mate Tokyoのシャンプーのように最初から泡になっているタイプだと、肌への摩擦も少なく、泡切れが良いためすすぎのこりが起きづらいのでお勧めです。

シャンプーブランドスタッフ目線で見る「正しいシャンプー頻度」と現場のアドバイス

こんなサインが見えたらシャンプーのタイミング!

  • 被毛がベタつく
  • 皮膚がにおう
  • フケが増えた
  • 毛がもつれている
  • 体をよく掻く
  • 涙やけ・よだれやけが目立つ

よくあるQ&A

Q1. 夏は汗をかきやすいから、シャンプーの頻度を上げても大丈夫?

A:基本的には月1〜2回を守りつつ、必要に応じて調整しましょう。

犬は人間のように汗をかきませんが、皮脂やホコリは夏に増えやすく、ニオイやベタつきが気になる時期です。ただし、頻繁に洗いすぎると皮膚が乾燥してしまうので、必要に応じて「部分洗い」や「ドライシャンプー」で対応するのが賢いやり方です。

また、夏は湿気が多いため、シャンプー後の乾燥をしっかり行うことが非常に重要です。


Q2. うちの子、水が大嫌いです。どうすればシャンプーできる?

A:段階的に慣れさせて、負担を減らしましょう。

水が苦手な犬にとって、シャンプーはとてもストレスフルな体験になります。いきなりシャワーをかけるのではなく、まずは濡れたタオルで体を拭くところから始めて、「濡れる=怖くない」と認識させるのが第一歩です。

どうしても自宅でのシャンプーが難しい場合は、トリミングサロンでのプロのケアを利用するのもひとつの手です。水圧や温度管理も徹底されているため、犬にとってもストレスが軽減されます。

まとめ

犬のシャンプー頻度は、一律で決まった回数があるわけではなく、犬種・毛質・生活環境・健康状態によって最適な頻度が変わるということをご理解いただけたかと思います。

この記事では、以下のようなポイントをお伝えしました:

✅ 犬のシャンプーは健康維持に欠かせないケア

  • 人間とは異なる皮膚構造やpHバランスを持つ犬にとって、正しい方法・頻度でのシャンプーが皮膚トラブルや体臭予防につながります。

✅ 一般的なシャンプー頻度は月1〜2回が目安

  • 過剰な洗浄は皮膚を傷めます。
  • 自宅でのケアとプロのトリマーによるケアをうまく組み合わせるのが理想的です。

✅ 犬種別に最適な頻度がある

  • 短毛種、中毛種、長毛種ではシャンプーの必要性もケア方法も異なります
  • 被毛の種類(ダブルコート/シングルコート)や皮脂の分泌量も考慮が必要です。

✅ アレルギーがある犬は特に注意

  • シャンプーの頻度や使う製品は、獣医師と相談のうえ慎重に
  • 洗うことが治療の一環となる場合もあります。

✅ トリマーや獣医と連携して“その子に合ったケア”を

  • トリマーの専門的視点は非常に参考になります。
  • 飼い主が愛犬の体調や被毛の状態に気づいてあげることが、最良のケアに直結します。

犬のシャンプーは、単なる「汚れ落とし」ではなく、愛犬の健康を守るためのコミュニケーションの時間でもあります。無理なく、気持ちよく過ごせるように、ぜひ今日からのケアにお役立てくださいね。





この記事を書いた人:キクチヨ

THE MATE TOKYOのブランド運営スタッフ。愛犬2匹と愛猫1匹とのんびり郊外暮らし。商品開発担当としてTHE MATE TOKYOブランドを盛り上げ中。記事執筆に挑戦。元カメラマン、アウトドア好き。

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