犬の“内側ケア”が皮膚を変える—犬に必要な栄養素とスキンケアの深い関係

犬の“内側ケア”が皮膚を変える—犬に必要な栄養素とスキンケアの深い関係

「こまめにシャンプーしているのにかゆみが治まらない」「フケの雪が止まらない」「被毛のツヤが失われてゴワつく」——そんな悩みを抱える飼い主さんは少なくありません。

実は 犬の皮膚は人間の約 3 分の 1 の厚さ しかなく、角質層がきわめて薄いため、紫外線や乾燥、摩擦などの日常的な刺激でも簡単にバリア機能が揺らいでしまいます。さらに犬の皮膚は約 20 日というハイスピードでターンオーバーを繰り返すので、新しい細胞をつくる「素材」——すなわち栄養素——を切らさないことがとても重要です。

健康的な皮膚を保つうえで欠かせないのは タンパク質、コラーゲン、必須脂肪酸、ビタミン類、ミネラル類 などの栄養素。今回は愛犬に必要な栄養素についてのお話をスキンケアブランドの視点からしていきたいと思います。

犬の皮膚はどうしてトラブルが起きやすいのか

犬の肌と栄養素

犬の表皮は薄く、天然保湿因子(NMF)も限られているため、少しの乾燥でもひび割れやすくなります。そこへ栄養不足が重なると、未成熟な角質細胞が表面に押し上げられ、バリア不全が加速。外部刺激に対するかゆみ・赤み・フケが慢性化してしまいます。
言い換えれば “食べるスキンケア” を意識することで、これらのトラブルを内側から改善できる可能性も大きいということ。
ここでは、スキンケア観点からもワンコに摂ってほしい栄養素のうち5つを整理して見ました。

栄養素 主なはたらき 不足したときのサイン
良質タンパク質 皮膚・被毛・筋肉の材料 抜け毛増加、被毛パサつき
コラーゲン 皮膚の弾力・関節保護 加齢とともに乾燥、関節のこわばりに影響
必須脂肪酸(オメガ3・6) 抗炎症・バリア機能 かゆみ、赤み
ビタミン A・E・B 群 抗酸化・代謝サポート フケ、くすみ
亜鉛・セレン 皮膚再生・免疫補助 傷の治り遅延

ポイント!
見慣れたトラブルの裏側には、特定の栄養欠乏が潜んでいることが多い。

良質タンパク質——皮膚と被毛を形づくる「レンガ」

犬のスキンケアと栄養素

皮膚細胞も被毛も、その大部分はアミノ酸から合成されるタンパク質でできています。原料となるアミノ酸の質と量が不足すれば、角質はスカスカ、被毛はパサパサに。動物性タンパク質は必須アミノ酸のバランスに優れ、消化吸収もスムーズ です。

総合栄養食と表示された市販フードは、加熱損失を見越して必須アミノ酸を十分に配合しているため、適量を与えている限り不足の心配はほとんどありません。ただし、偏食の子やシニア犬で食事量が減る場合はタンパク質不足になることも。
低温乾燥の魚由来タンパク質をトッピング してあげると、消化吸収の良いアミノ酸を手軽に追加できるため体はぐっと喜んでくれます。
白身魚は脂肪が少なく低カロリーで、体重管理中の犬にも負担をかけません。

コラーゲン——バリアを支える「接着剤」

コラーゲンは皮膚真皮層で網目状に張り巡らされ、弾力と保湿性を支えています。犬も人と同様、加齢とともに体内合成量が急降下。すると皮膚は薄く硬くなり、小さな傷が治りにくくなります。

経口摂取されたコラーゲンはペプチドになって吸収され、再び真皮で利用されると考えられています。特に 魚由来の低分子コラーゲンは分子量が小さく吸収が早い ため、シニア犬や関節トラブルを抱える犬に最適です。関節軟骨もコラーゲンでできているので、皮膚と関節を同時に守れる“一石二鳥”の栄養素と言えます。

必須脂肪酸(オメガ 3・6)——炎症を鎮める「潤滑油」

かゆみや赤みなど炎症系トラブルが続く場合、オメガ 3 系脂肪酸(DHA・EPA・α‐リノレン酸)の摂取量が足りていないケースが目立ちます。これらは 炎症性サイトカインの暴走を抑え、皮膚バリアの脂質層を整える働き を持ちます。一方でオメガ 6 系(リノール酸)は過剰だとかゆみを助長するので、3 と 6 をバランス良く 与えるのがポイントです。魚油や亜麻仁油、チアシードで手軽に補えます。

ビタミンとミネラル——代謝を回す「職人」

角質をつくるケラチンの生成には ビタミン B 群と亜鉛 が不可欠。ビタミン A は皮膚の新生を促し、ビタミン E は酸化ストレスから細胞を守ります。微量ながら欠かせないセレンや銅も含め、多彩なビタミン・ミネラルがそろってはじめて皮膚は正常に生まれ変わる のです。色の濃い野菜やレバー、海藻を少しトッピングするだけでも代謝は大きく変わります。

トラブル別・栄養アプローチで最短ケア

犬のスキンケアと栄養素

かゆみ・赤みが強い → オメガ 3 とビタミン E を同時補給
フケが多い → ビタミン B 群と亜鉛でターンオーバーを正常化
被毛のツヤ低下 → 良質タンパク質と銅でキューティクル強化
傷が治りにくい → コラーゲンとビタミン C で線維芽細胞を活性化

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The Mate Tokyoの すくすくお魚パウダー は、骨ごと焼き上げた鯛やぶりをそのまま乾燥・粉砕し、タンパク質・コラーゲン をギュッと閉じ込めたトッピングパウダー。

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給与の目安と活用アイディア

体重 目安量/日 おすすめ活用シーン
小型犬(〜5 kg) 小さじ1/2〜1杯(約1〜2g) ドライフードに混ぜて香りづけ
中型犬(5〜15 kg) 1〜1.5杯(約2〜3g) 手作り食の仕上げに栄養補強
大型犬(15 kg 以上) 2杯程度(約4g前後) シニア期の関節&皮膚ケア


犬のスキンケアと栄養素
犬のスキンケアと栄養素


今日からできる実践ステップ

1. フード表示と原材料を確認
「総合栄養食」ラベルがあるかをチェック。穀物・肉副産物主体でも基準を満たす設計の場合が多いので、まずは表示を確認し、不足が気になるときに魚トッピングで質を底上げしましょう。
2. 脂肪酸バランスを調整
亜麻仁油や魚油を“ごく少量”から体重に合わせて追加。皮膚ケア目的ならEPA/DHAの確保(魚油)も選択肢。お腹の様子を見ながら徐々に。
3. 色野菜でビタミン・ミネラル補助
ほうれん草・ブロッコリーは細かく刻むか軽く蒸して少量トッピング(全食の~10%目安)。与えすぎに注意。
4. 量は定期的に見直して習慣化
トッピング総量はカロリーの10%以内を目安に、体重変化や基礎フード変更時に調整。
5. 月1で皮膚・被毛チェック
かゆみ・赤み・被毛ツヤを観察し記録。悪化や長期化は早めに獣医へ相談しましょう。

よくある質問(FAQ)

質問 回答(要点)
Q1. 子犬やシニア犬にもコラーゲンは必要? はい。成長期は骨格形成、シニア期は関節保護という形で役割が変わるだけで、どちらのライフステージでも重要です。魚由来の低分子タイプなら消化に負担をかけません。
Q2. アレルギー持ちでも魚ふりかけは大丈夫? 主原料は魚のみで穀物・乳製品・牛豚由来タンパク不使用。ただし魚アレルギーの有無を確認し、初回は少量で様子を見てください。
Q3. ふりかけだけで栄養は完結しますか? 総合栄養食フードをベースに、不足分を魚ふりかけで“底上げ”するイメージが理想です。偏ったトッピングだけに頼るのは避けましょう。


まとめ——“食べるスキンケア”で愛犬ともっとハッピーに

犬のスキンケアと栄養素

栄養とスキンケアの関係 を理解すると、外側ケアだけで改善しづらかった皮膚トラブルを内側からサポートできます。
特に意識したい栄養素 は良質タンパク質・必須脂肪酸・ビタミン・ミネラル。コラーゲンは加齢による減少を補う機能性成分として注目されています。
不足しやすいケース は手作り食や代替フードでの脂肪酸バランス不良、ミネラル欠乏など。総合栄養食を与えている場合は過不足を把握したうえで、必要な栄養をピンポイントで補いましょう。
・ 魚由来タンパク質・海洋性オメガ3(EPA/DHA)・低分子コラーゲンを同時に摂れる 魚ふりかけ は、ひと振りで“海のチカラ”をチャージできる時短ソリューションです(与えすぎ防止のため給餌量は守ること)。

愛犬の皮膚は、きょうの一皿から変わりはじめます。内側から潤いを満たし、ツヤやかな被毛と掻き傷知らずの健やかな肌を目指して、今夜の食卓に“小さな改革”をプラスしてみませんか?
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※ 皮膚症状が続く場合や基礎疾患・投薬中の犬は、栄養変更前に必ず獣医師へご相談ください。

記事を書くのに参考にした情報|参考文献

  1. Marchegiani A, Fruganti A, Spaterna A, 他 (2020).
    Impact of Nutritional Supplementation on Canine Dermatological Disorders. Veterinary Sciences.
    栄養補助食品は犬の皮膚病の予防・改善に役立つ可能性がある。医薬品と併用することで、治療効果を高める補完手段にもなる。
  2. Groves E. (2022).
    Diet in canine dermatology part 1: nutrition for skin health and support. The Veterinary Nurse.
    良質なタンパク質や脂肪酸、ビタミンは皮膚と被毛の健康維持に不可欠。特にタンパク質不足は被毛のパサつきや抜け毛につながる。
  3. Cerrato S, Ramió-Lluch L, Fondevila D, 他 (2013).
    Effects of Essential Oils and Polyunsaturated Fatty Acids on Canine Skin Equivalents. Journal of Veterinary Medicine.
    必須脂肪酸やオイル成分の補給は、皮膚の角質層の構造を強化し、水分保持力やバリア機能を高めることが確認された。
  4. Padmanabhan N, Krishnamoorthy G. (2017).
    Therapeutic Relevance of Dietary Ratio of PUFAs N-6: N-3 in Canine Atopic Dermatitis.
    オメガ3と6脂肪酸の摂取バランスが炎症反応に影響。オメガ3の補給は皮膚の炎症を抑えるのに効果的とされる。
  5. Ackerman L. (1987).
    Nutritional supplements in canine dermatoses. The Canadian Veterinary Journal.
    ビタミンA・E、亜鉛などの欠乏が犬の皮膚病に関係。適切な栄養補助により皮膚の修復力や免疫力が高まる可能性がある。
  6. Watson A, Fray T, Bailey J, 他 (2006).
    Dietary constituents are able to play a beneficial role in canine epidermal barrier function. Experimental Dermatology.
    パントテン酸、コリンなどの栄養素を加えた食事は、皮膚の水分蒸発を抑えるなどバリア機能を強化する効果がみられた。





この記事を書いた人:キクチヨ

THE MATE TOKYOのブランド運営スタッフ。愛犬2匹と愛猫1匹とのんびり郊外暮らし。商品開発担当としてTHE MATE TOKYOブランドを盛り上げ中。記事執筆に挑戦。元カメラマン、アウトドア好き。

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