犬が前の片足を上げる行動は、集中や緊張、不安を示すサインのひとつ。行動学に基づいて理由と見分け方を解説します。
犬が前の片足を上げる理由|そのしぐさ、ケガではなく「気持ち」のサインかもしれません
散歩中や家の中で、愛犬が前の片足を上げたまま、じっと止まっている姿を見たことはありませんか?
「どこか痛いのかな?」と心配になる一方で、実は“気持ち”が体の動きとして表れている場合も多いしぐさです。
この記事では、犬が前足を上げる主な理由と、注意が必要なケースをわかりやすく解説します。
犬は体の動きで気持ちを伝える
犬は言葉を使えない分、姿勢や動き、視線などのボディランゲージで気持ちを表します。
動きを止める・視線をそらす・足の使い方を変える——前足を上げる行動も、そのひとつです。
大切なのは、「片足を上げている」時の、 前後の状況や全体の様子を一緒に見ることです。
犬が前の片足を上げる主な理由
犬が前足を上げる理由は、大きく分けて次のようなものがあります。
- 何かに興味を持ち、集中している
- 興奮や緊張を落ち着かせようとしている
- 不安やストレスを感じている
- 飼い主の気を引きたい
- 動くものに強く意識が向いている
このうち、最初の三つは犬の気持ちを調整するための行動として知られています。
理由① 興味があり、集中している
見慣れない物や音、気になる匂いを感じたとき、犬は動きを止めてじっと確認します。 その際、前足が軽く浮いたままになることがあります。
散歩中に急に止まって片足を上げていたら、その先に「気になる何か」があるのかもしれません。 この場合は、歩き方が自然で、呼べばすぐ反応することが多く、心配はいりません。
理由② 自分を落ち着かせたい
嬉しい、楽しい、期待している。そんな気持ちが高ぶったときにも、犬は前足を上げることがあります。
たとえば、おやつを目の前にして「マテ」をしているとき、遊びたくてウズウズしているとき。 「動きたいけれど、今は我慢」——その気持ちのブレーキとして、前足を上げて固まることがあります。
理由③ 不安やストレスを感じている
前足を上げるしぐさは、不安やストレスを感じているときにも見られます。
苦手な人や犬が近くにいる、病院など緊張する場所にいる、叱られている最中などが例です。
この場合は、視線をそらす、体がこわばるなど、他のサインと一緒に現れることが多いのが特徴です。
理由④ 飼い主の気を引きたい
前足を上げながら飼い主をじっと見つめている場合は、 「構ってほしい」「甘えたい」というアピールの可能性があります。
子犬が母犬に甘えるときに見られる行動が、成犬になっても残ることがあります。
理由⑤ 動くものに意識が向いている
鳥や虫、小動物など動くものに強く意識が向いたとき、前足を上げたまま動かなくなることがあります。 特に猟犬の血を引く犬種では見られやすい行動です。
この状態は集中力が高いため、急に飛び出す可能性があり注意が必要です。
触られて前足が上がることもある
マッサージやなでられている最中に、リラックスして前足が自然に上がる犬もいます。
表情がやわらかく、体がゆるんでいる場合は、「気持ちいい」と言っているんです。。。
前足を上げているときに注意が必要な場合
前足を上げるしぐさの多くは気持ちのサインですが、体の不調が隠れているケースもあります。 次のような様子が見られる場合は注意しましょう。
- 片足をかばうように歩き、左右で歩き方が違う
- 足を地面につけたがらず、浮かせたまま歩こうとする
- 同じ前足を長時間上げたまま下ろさない
- 触ろうとすると強く嫌がる
- 足先や指の間をしきりに舐めている
- 時間が経っても改善しない、または悪化している
まとめ
犬が前の片足を上げるしぐさは、興味・緊張・感情のコントロール・甘え・集中といった 気持ちの表れであることが多い行動です。
大切なのは、そのしぐさだけを切り取らず、状況や前後の様子と合わせて見ること。 愛犬の行動を通して「今、どんな気持ちなんだろう?」と考えるのも愛おしい時間ですよね。。。
参考文献・注釈
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Mariti, C., et al.(2017)|Journal of Veterinary Behavior
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Mariti, C., et al.
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Townsend, L., et al.(2021)|Frontiers in Veterinary Science
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Turid Rugaas(2006)
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RSPCA
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American Kennel Club(AKC)